日食・星空撮影するカメラ・機材(その2)

米国旅行に持っていくカメラ、レンズについては先月こちらに書きました。それらを使い星空や日食撮影の練習も兼ねて、最近は風景のタイムラプス撮影も始めました。

でも、色々やっているうちに、固定画面ではなくモーションを入れた撮影もしたくなってきました。そこで、ちょうど見つけたのがAcuter Optics Traverseです。これは、回転と上下が電動化されている経緯台なのですが、タイムラプスでのモーションだけでなく、赤道儀的に天体を追尾することも可能です(ただし長時間では画面回転するので点像にはならないはず)。29,900円という価格でしっかりした三脚も付いているので即購入。

撮影には、Acuter Landsccapeという専用アプリがあり、こちらを使うと任意の角度・移動時間指定してスムースなタイムラプス撮影が可能です。

天体の導入・追尾には、Acuter Skyという専用アプリを使うと、説明書を読まなくても1点の天体で簡易設定でき、それなりの精度で導入・追尾できます。さらに2点以上の天体で設定すると精度が上がります。太陽撮影の場合には、以下のような承認画面で確認した上で追尾可能となります。

日没前でシーイング悪条件の中で(連日35度以上で昼間撮影する気にならず)、テスト撮影してみました。ND100000(5.0)フィルターを付けたAPS-C 250mmでビデオ撮影したものを10倍速にした動画が以下です。(無加工)

太陽だけで簡易設定したにも関わらず、ちゃんと追尾してくれてます。これなら、広角で数分の追尾撮影も出来そうな雰囲気です(後日試します)。

で、このような感じでタイムラプス撮影していると、その合間に静止画も色々撮りたくなります。

もう1台Z50を中古で買うことも考えたのですが中古でも新品の9割程度の値段がします。タイムラプス撮影ならファインダーは不要なので、Z30を調べたところ、以下ような点でタイムラプス用途ではZ50よりも優れてました。

  • USB給電しながら撮影可
  • インターバル撮影で同時に動画作成可

とうことで、楽天マラソンで最大のポイント還元を狙って、Z30本体を購入。

10月の米国旅行は、この2台で金環食・天の川撮影をしたいと思います。来年4月の皆既日食に向けては、別の新兵器を投入予定です。

皆既日食旅行準備① 2024年皆既日食を見る場所

2023年金環食の行程はほぼ決まってきましたが、そろそろ2024年皆既日食の計画も立て始めています。CNNなどのマスメディアでも皆既日食のニュースが増えており、金環食より皆既日食の方が注目度が高い雰囲気です。

2024日食は、以下NASAの日食ページでも紹介されているようにメキシコから米国を横切りカナダ東部まで皆既日食が起こります。

Where & When | 2024 Total Eclipse – NASA Solar System Exploration

カナダのモントリオールや米国デトロイト・ダラスといった大都市も含まれているので、注目度が上がるわけです。見る場所を決めるにあたっては、まず天候が第一の絞り込み条件です。日食の天候を調べるには、https://eclipsophile.com/ が便利です。

下図が皆既日食の見える地域の4月の雲量統計です。カナダ方面は80%以上、メキシコ方面は30%以下と大きな違いがあります。

Total Solar Eclipse April 8, 2024 | Eclipsophile

せっかく日本から行くのですから、極力雲量が低いところに行くとすると文句なくメキシコになるのですが、ここは悩みどころです。メキシコ自体は問題ありませんが、観光地ではないのでアクセスが気になります。米国から車でメキシコ入国するのは簡単ですが、米国で借りたレンタカーではメキシコ国内では保険が効きません。以前カリフォルニアに住んでいた際も車ではメキシコに行かない方が良いと言われてました。

メキシコの西海岸で皆既日食が見れるMazatlanという都市は、地球の歩き方で1ページ書かれているリゾート地で良いかなあとも思ったのですが、Mazaltan空港へはメキシコシティからエアロメヒコ航空またはロサンゼルスからアラスカ航空という経路で30時間以上、50万円以上でした。それであれば、レンタカーで晴れを追って自由に動ける米国内の方が良いと考えました。

観測地を選ぶにあたって、https://eclipsophile.com/ の皆既日食帯の雲量グラフを参考にしました(本当にかゆい所に手が届くような親切なサイトです)

Total Solar Eclipse April 8, 2024 | Eclipsophile

米国内では、とにかくメキシコに近い方が雲量が少ないことが分かります。特にメキシコ国境近くのUvaldeから北東に標高が上がる地域で雲量グラフが少し下がってます。

近くにはSan Antonioという大都市があり、私は5年前会議で行った際に運河クルーズなどを楽しんだ思い出があります。San Antonio近くのKerrvilleやFredericksburgでは4分30秒程度の皆既日食が起こるので、この辺りを候補として旅行計画を進めて行こうと思います。

しかし、アメリカ人の皆既日食への期待は大きく(米国内で7年振りの皆既日食)、ホテル探しに難航するのでした。それは次回に。